憲法Caffè

埼玉総合法律事務所の所員が、憲法に関わる催しや学習会のお知らせ、感想、考えていることなどを、随時アップします!

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埼玉総合法律事務所
2022年

ウクライナ侵略と日本の敵基地攻撃能力

ロシアのウクライナ侵略を受けて、日本は敵基地攻撃能力(「反撃能力」と言い換えているようですが)を持つべきだ、という意見がさらに強く主張されるようになりました。
しかし、敵基地攻撃が何を招くか、を考えた方がいいと思います。
ウクライナ戦争で、ウクライナが「敵基地攻撃能力」を持っていて、先に、ロシアのミサイル基地を攻撃したら、国際世論はどう動いたでしょうか? ロシアの代わりにウクライナを批判するか、あるいは、両国で勝手に戦争やってくれ、という事態になったのではないでしょうか?
また、敵基地攻撃能力では、敵の中枢(首都)を叩くことも検討されているようです。ウクライナのミサイルがモスクワを直撃したら、国際世論はどう動くでしょう。
相手の領域に攻め込んだり、攻撃を仕掛けたりすると、国際世論は味方に付かない、こちらが悪者になる、ということです。
こう考えると、戦争は始まってしまうと、今回のような被害は避けがたい、戦争が起こるのを防ぐために全力を尽くすしかない、と痛感するのです。
(弁護士 髙木太郎)

ウクライナ侵略と日本の防衛予算

ロシアのウクライナ侵略を受けて、日本の防衛予算を倍にしよう(GDP比2%)という動きがある。

ウクライナはNATOに加盟していなかった、ウクライナ軍は弱体だとロシアに思われていたから、ロシアはウクライナを侵略した、だから日本は自衛隊を格段に強化しておくべきだ、というのである。
しかし、すでに日本は日米安保条約を結んでいる。防衛予算は、ウクライナの7~8倍、ロシアに比較しても、ロシアの7~8割。すでに日本の防衛費は、世界軍事費ランキングで常に世界の10位以内に入っている。

日本の軍備が弱体だからといって攻め込んでくる国は、たぶん、ない、と思うのだが。

(弁護士 髙木太郎)

祝!!日本国憲法・施行75年!

2022年5月3日(火・祝日)

改憲発議許さない!
守ろう平和と命とくらし
2022 憲法大集会

いまほど憲法が輝いて見えたことがありません。
どんなに辛くてもこれだけは手放してはいけない。決して。

2022憲法大集会ご案内

一緒に考えてもらえませんか。

日本には憲法9条があるから,戦争は起きないのですか。憲法9条が持っている力ってなんでしょう。
もし中国やロシアが攻めてきても,何もできないのですか。
それとも自衛隊が防衛してくれますか。
安保条約があるから,アメリカが日本を守ってくれますよね。
でもアメリカを含むNATOは,ウクライナへのロシア侵攻に対して参戦せず,武器供与に留まっています。
それをみてもアメリカは日本を守ってくれないのではないですか。アメリカの利益になるよう,自国のために日本の自衛隊を利用するつもりなのかしら。
尖閣諸島に中国が攻めてきても,安保があるから大丈夫って考えている日本人はきっといますよね。
アメリカは領土問題には踏み込まないといっているし,日米安保に尖閣は含まれていないでしょ。
私たちはどうしたら自分たちの命と平和を守れますか。私と一緒に考えてもらえませんか。
(事務局 長沢)

「川口美貴・労働法(第6版)」

日本国憲法には労働に関する基本的人権の条文が2つ(27条、28条)もある。これは、大日本帝国憲法下における労働者の人権が極めて不十分だったこと、それが戦前日本の非民主性、やがては中国・アジア侵略、太平洋戦争につながった、という反省に基づくものである。
さて、関西大学の川口美貴教授が、「労働法(第6版)」を出された。
「川口労働法」は、毎年改訂されていて安心してその内容に依拠でき、細目次が充実していて体系が理解しやすく、また、おそらくパートナー古川景一弁護士の実務の知恵が多分に詰まっている優れものであり、価格も、5000円に抑えられ、その膨大な情報量に比すれば、とてもお買い得である。今回も①育介法の改正、②民法施行後の裁判例や安衛法違反に関する最高裁判決等2022年2月までの公刊判例情報が盛り込まれている。ぜひ、お勧めしたい。

※日本国憲法 第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。3 児童は、これを酷使してはならない。
第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

川口美貴「労働法(第6版)」

「戦争やめて!」

北浦和駅東口で地元の人たち数人と「NO WAR」のスタンディングをしていたら、
塾に行く途中らしき小学生が慣れない手つきでパスケースからお金を出して、
ウクライナの人々への支援の募金箱に入れてくれた。
涙がこぼれそうになった。

戦争はいやだ。戦争は怖い。
その気持ちがまっすぐで。

君たちに、平和で安心して暮らせる世界を手渡さなければと、こころから思う。

(事務局 松田)

ロシアによるウクライナ侵攻

短期戦の予想とは裏腹に長期化の様相
この侵略を見ている中国は,武力による台湾併合は短期決戦で,NATO諸国による制裁準備が決定しないうちにやる。
そして北朝鮮は自国を防衛し,現体制を保持するには核所有しかない。核開発,実用化の方針は正しいと確信したのではないか。
日本は保守系議員らが「核共有すべき」とかしましい。
アホか。

世界唯一の被爆国であり,福島第一原発事故を起こした国である。原発を攻撃されたら,この国は終わる。
想像力がない。だから安全保障というと軍備増強だ,究極は核保有となる。
なにも安全保障はこれらに限られたことではない。
エネルギー,水源,食料,社会資本の整備,平和外交,どれもすべて安全保障に通じるものだ。
そのことを指摘している知識人は少ない。
いわんや政治家をや,である。

国民が安心して生活している姿を想像すれば,やるべきことが描けそうなものである。
近視眼的ではだめだ。どこぞの経済団体だけを見ているのか。足元の利益追求のみ。
だから人相が悪くなる。
そのような輩に安全保障を任せるのは,危険極まりないと思うのである。
(事務局 長沢)

3・11を忘れない

東日本大震災から11年。

11年前、福島第一原発爆発による高濃度の放射能から逃れ、
埼玉スーパーアリーナに避難してきた方々に、
お困りのことはないですかとアンケートをとってまわりました。
最初に答えてくれたのは、南相馬から自主避難をしてきたママとお子さんたち。
パパはお仕事で自宅に残っていると言っていました。
1週間後には、中学の制服の受け取りの日だとも言っていました。
取りに行けるかな。入学式に間に合うかな。

そのとき、私たちはまだ、きっとすぐ収束して戻れると、思ってました。
事態の大きさと恐ろしさを、知らず。

(事務局 松田)

今日は3月10日

3月10日今日は東京大空襲から77年目です。
当時、義母のお姉さんが東京にいました。義母は上京して姉を探しましたが、見つかりませんでした。
生死はわかりませんが、状況から多分この大空襲で亡くなったのだと思うと言っております。
今は、慰霊堂の名簿に名前が記載されています。

その本日2022年3月10日
埼玉弁護士会は「自衛隊を憲法に書き込むことに反対するパレード」を行いました。
(事務局 松田)

電車遅延に、思う

1月11日、今日もJR宇都宮線の電車遅延。今年に入ってこのレベルの被害に遭うのは2回目。
線路内に人が立ち入っただけで、1時間も2時間も首都圏の電車が遅延するなんてどこの国の話だろう。5分、10分の遅延なら利用者が覚悟すべきだが、これは明らかにJRの責任だ。従業員を減らしすぎているのだ。既に首都圏でも無人化、外注化された駅が多く、電車の運行を担当する部署も同様。人立ち入りの際に現場に対応できる職員が駆けつける段階から大幅に時間がかかる。その後の処置も並べて同じ。
民間会社だから、利益優先、赤字は論外となる。
しかし、例えば10万人の足に1時間の遅れを生じさせたら、それだけで利用者の時間を奪い、数億円の損失を生じさせていることになる。社会インフラとしての鉄道事業にはあってはならないことだ。
国鉄として、多少の赤字を出しつつも、安全、安定輸送を維持する意味はそこにあった。
もう一度、その意味を良く考えないと、経済の衰退を招く一因となるだろう。

(弁護士 髙木太郎)