「9.29自殺問題を考えるシンポジウム(第55回人権擁護大会 プレシンポジウム)に参加してきました」

9月29日(土)に埼玉教育会館で行われた、埼玉弁護士会主催の自殺対策に関するシンポジウム「自殺のない社会をめざして いま私たちにできること」に司会として参加してきました。

借金苦を理由に自殺寸前まで追い詰められた方の体験談、自殺根絶を目標に活動するNPO法人「ライフリンク」の方の講演、自殺問題を研究されている早稲田大学准教授による報告、埼玉県内の自殺関連の統計と埼玉県の取組みについて埼玉県保健医療部の方の報告、24時間電話相談で自殺予防に取り組む「埼玉いのちの電話」の方の報告と盛りだくさんの内容でした。

「適切な支援の手があれば自殺は防げる。」ライフリンクの方が言っていました。ライフリンクの調査では、自殺者の約7割が自殺をする前になんらかの相談機関に相談していたことが分 かったそうです。昔と比べいまでは自殺対策に有効な相談窓口(電話による悩み相談、心理の専門家による無料相談、弁護士・司法書士による無料借金相談など)は増えました。しかしそれでも自殺者が減少しないのは、相談機関同士の連携が不十分であるからであり、それらが有機的に連携できれば自殺者を減らすことは十分可能であるとのことでした。

私も埼玉県が行っている「暮らしとこころの総合相談会」や弁護士有志の「ヤミ金融被害対策弁護団」に加入して、法律相談を受けていますが、これからは、「この法律問題を解決しただけでこの人は本当に助かるのか?」という視点をもって取り組んでいきたいと思いました。

自殺は個人だけの問題ではなく社会問題です。私たちも自殺撲滅に向けて事務所をあげて取り 組んでいきたいと思います。

弁護士 鴨田譲

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