現在進行中の朝ドラ「虎に翼」は一貫して日本国憲法がテーマである(個人の感想です)。
そんなわけで、寅子に関連して。
7月15日の週、寅子は新潟県三条支部に転任した。これが忖度による左遷なのか、「愛」なのかは別にして、転任先の様子は、年配の弁護士にとって「弁護士あるある」である。
三条支部には、2人しか弁護士がおらず、そのうちA弁護士が原告代理人を、B弁護士が被告代理人を務めていたかと思うと、次の事件では、2人が席を入れ替わって被告代理人、原告代理人を務めるシーンが描かれた。
1990年代初頭、日弁連は、弁護士「01(ゼロワン)」マップを作った。当該裁判所の支部管内に、弁護士が全くいないか、1人しかいない地域をピックアップし、日本地図に落とした代物である。裁判は相手がいて初めて成り立つから、弁護士が一人しかいないと、その相手方は、弁護士をつけることができないか、遠く離れた地域から弁護士に来てもらわなければならなくなる。そこで、0と1は極めて問題、ということである。
寅子が赴任した三条支部は弁護士が2人いたわけだから、まだマシだったのか(ただ、それが兄弟の弁護士ではちょっとどうかとも思うが)。ドラマは昭和27年頃の話だが、01支部の存在は、その後、90年代まで続くことになる。おまけに、この時代の弁護士は、裁判官に弁当まで差し入れて抱き込もうとしていたようである(90年代は流石にこんなことはなかった。)。
寅子は、田舎の古い(悪い意味での)「もちつ持たれつ」を少しずつ改善していくことになるのだろう。これも寅子流の戦い、日本国憲法12条の「不断の努力」かな。
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