~女性の人権について~(リレーメッセージ③)

「日本国憲法の平和条項と女性の権利(9条と24条)を守って欲しい」 

日本国憲法の草案執筆を担当したベアテ女史が最期に残した言葉は遠い異国の日本憲法を危惧する言葉でした。

 第 24条〔家族生活における個人の尊厳と両性の平等〕

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない

この24条は、ほぼベアテ女史の草案のまま起用されたそうです。当時のことを考えるとかなり画期的な条文だと感じますね。

しかし、この憲法が自民党の新憲法草案によって改訂されてしまうところでした。「この憲法のせいで女性の独立心が煽られ、少子化が進んだ」と揶揄する者もいると聞きます。今回は見送られましたが、またいずれこの議論が持ち上がってくることでしょう。女性の人権とはなんなのか。現在の私達女性の生き方は非常に様々で多様的です。男女平等参画から始まり、今にベアテさん④至るまで女性への人権意識は幾分か改善されつつあります。ですが、まだまだジェンダー(性差)に対する否定的意見が多いように感じます。「女らしさ」「男らしさ」とは一体何なのでしょうか。「奥様」のようにこの世は男性社会が生み出した言葉で溢れています。しかし、その一方で女性が都合のいいように憲法を解釈してしまう傾向もあり、フェミニストの行き過ぎた考えもあるようです。

この憲法作成の背景には、たくさんの人々の思いが詰まっています。それを守っていくことで、日本が本当の意味で男女平等になる日がくることを願うばかりです。(事務局 伊藤)

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