「I  LOVE  憲法」(リレーメッセージ)

南木にゃんこ

 

先月十二日の衆議院議員予算委員会。  集団的自衛権の行使容認について民主党の議員が法制局に質問をすると、安倍首相は、手を挙げて、自分が答えるとアピールをし、「先程来、法制局長官の答弁を(質問者が)求めているが、最高の責任者は私だ。私は責任者であって、政府の答弁にも私が責任を持って、その上において、私たちは選挙で国民から審判を受けるんですよ」と答えました。

突っ込みどころ満載のこの発言ですが、そもそも安倍首相って、立憲主義・三権分立の日本の国家構造分かっていないんでしょうか?

(近代)立憲主義とは、個人の権利・自由を確保するために、国家権力を憲法で拘束する思想のことを言いますよね。憲法を制定し、国の統治のあり方を決定するのは国民である私たちです。安倍首相に、解釈改憲の責任なんて、誰も負わせてないし、勝手に責任とられても困るし・・・。  首相主導で解釈改憲が出来るとなれば、国民の自由や権利を守るため、政府を縛る憲法の立憲主義の否定になります。選挙で審判を受ければいいというのは、憲法を普通の政策と同じようにとらえていて、憲法の重みを全く分かっていない人の発言です。

そして、三権分立(権力分立)とは、国家権力が、単一の国家機関に集中すると、権力が濫用されて、国民の権利・自由が侵害される恐れがあるので、国家の諸作用を性質に応じて立法・行政・司法というように「区別」して、それを異なる機関に担当させるよう「分離」して、相互に「抑制と均衡」を保たせる制度です。安倍首相は、内閣の最高責任者たる内閣総理大臣ではありますが、内閣総理大臣は、国会の議決で指名されるものです。選挙で国民から審判を受けるのは、国会議員であって、「抑制と均衡」関係にある国会と内閣の違いが分かってない、もしくは国会の最高責任者にでもなったつもりなんでしょうか。  国会が唯一の立法機関とされているのは、国会が国民の代表機関だからですし、そもそも国会は(機能しているかはさておき)、国民の代表者たる国会議員が討議を尽くした上で、民主的な多数決によって、運営されていくものです。

議会制民主主義を軽視した安倍首相独自の決断によって、三権分立が根本から崩れ、日本がどんどん変わってしまうのではないかと恐ろしくなります。

私たちが、少しでも関心を持って、声を上げていかなければ、あっという間に独裁国家になってしまうかもしれません。日頃意識することのない憲法が、私たちの当たり前の生活を守ってくれていることを感謝し、日本の誇れる平和憲法を大事に大切に愛していきたいと思っています。
(画像は、刑事訴訟法勉強中のウチのにゃんこです。)      (弁護士 南木)

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