福祉が「福死」になる?日本(リレーメッセージ)

介護報酬の改定は3年に1回行われる。
今回、増え続ける社会保障費を抑制する目的で、介護報酬全体を2.27%削減することになった。
基本報酬が削減されるということは、事業所の経営を直撃することになる。
利用者の負担が軽減されるケースはあるが、在宅介護などで、より手厚い介護を必要とする利用者の負担は増える。
他方、人材不足解消のため、介護職員の賃金を平均月1万2000円引き上げる。
事業所は利益を確保するため、職員数を減らしたり、一時金を減額するなど、経営努力という名目の、さらなる財政の引き締めが行われるのではないか。
介護職員は、長時間労働、月平均4、5回の夜勤などによる睡眠障害、休憩時間がとれないなど、劣悪な労働条件の職場が多いと聞く。
今後、閉鎖する事業所も出てくるかもしれない。
利用者が生きるための、質の高い、必要なサービスを受けられない事態が懸念される。
結局は、福祉も金次第ということになり、福祉ならぬ「福死」となりはしないか。

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(事務局 長沢)

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