格差という壁

いま話題の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を見ました。さすがに外国の賞を総なめにしただけあって非常に面白い映画でした。

半地下にひっそりと住んでいる極貧の家族がふとしたきっかけで豪邸に住む富裕層の一家に寄生(貧困一家とはつゆ知らず)しながらしたたかに生きていく様をコメディータッチで描いているのですが、途中、豪邸に隠された秘密が暴かれてからはいささかオカルト的なストーリー展開も加わり、クライマックスで破局的な結末を迎えます。

韓国は1997年のアジア通貨危機によって国家破産寸前までいきましたが、思い切った経済改革の断行により短期間で経済が回復しました。しかし改革の反動もあって日本と同じく格差が拡がっており、この映画は韓国の格差社会の現実をコメディーというオブラートに包みながら告発しているのだなという印象を受けました。その意味では大ヒットした是枝監督の映画「万引き家族」にも相通じるものがありますね。

ちなみにこの映画の原題は「寄生虫」です。

事務局 A・K

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