「自衛隊の何がイケン」か

「国民みんなが感謝をしている自衛隊を憲法に明記して存分に働いてもらう。いつまでも違憲扱いでは頑張っている自衛隊に失礼ではないか?」。
こんな論調で安倍改憲がすすめられようとしている。しかし、国民の多数が感謝しているのは、災害復興に取り組む自衛隊であり、国民は海外で殺し殺される自衛隊を望んでいない。
安倍改憲は後者の自衛隊をまるごと憲法で容認するものだ。

イラク日報が明らかになった。
15000ページを超える資料を通読した人の受け売りだが、この日報には、自衛隊がイラクの協力者を使い、イラクの反政府勢力の動向を調べていたことが記載されているそうだ。
この情報は米軍などと共有され軍事行動にも使われる。つまり人道支援ではなく、軍事行動の前提となるスパイ活動を行っていたことになる。
このような活動まで、多数の国民が支持しているものではない。

「自衛隊に失礼だから憲法に書き込む」は論理の飛躍であり、あまりに危険なことである。

(弁護士 髙木太郎)

この記事を書いた人

目次