祖父の言葉

大正生まれの祖父母は、戦争を経験しております。
祖父母は既に他界していますが、祖父は、生前、私に戦争について多くを語りませんでした。
そんな祖父が、少し、本当に少しだけ、戦争の話題に触れることがありました。
ただ、言葉少なげに、
「戦争はいけない」と。
祖母は、頷いていました。

たった一言の言葉の重さ、悲しさ、強さに、私は圧倒されたことを覚えています。

もっと話しを聞きたいと思ったけれど。
私は、それ以上聞けませんでした。

その代わり、考えました。
いったいどれだけの辛さと苦労があったのだろうと。
たくさんの悲しい思いをして、今、そんなに優しい笑顔を見せられるのはなぜだろうと。

先日、祖父母の法要があり、墓前に手を合わせました。
激動の時代を生きた、強く、優しい祖父母。
戦後生まれの私に、祖父の言葉を聞いた私に、できる生き方とは何だろう。
それを考えながら、これからを歩んでいきたいと思ったのです。

(事務局 E)

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