「集団的自衛権・安保法制懇の報告書」(リレーメッセージ)

リレーメッセージ(鴨田)

5月22日の夜、九条の会・さいたま主催の憲法学習会に講師として参加しました。

内容は集団的自衛権についてで、特に、5月15日に安倍総理の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(通称;「安保法制懇」)が提出した報告書の内容について解説しました。

これまで政府は、国際法や国連の決定を尊重しつつ、憲法9条の歯止めがあるために、国際法と憲法9条の調整を図る様々な憲法解釈を行ってきました。その結果、集団的自衛権は憲法9条によって認められないというのが確立した解釈となっていました。

しかし、今回の報告書は、国際法や国連で認められた自衛権の行使、武力の行使、武器の使用であれば、ほぼ憲法9条の制限を受けずに認められるという全く独自の新たな解釈を打ち出しています。これによると、憲法9条があっても自衛権や武力の行使が認められることになるという非常に危険な解釈です。

集団的自衛権を行使できるようにするのであれば憲法9条の改正手続によるのが筋ですから、憲法9条の解釈改憲については厳しい批判の目をもって監視していく必要があると思います。

弁護士 鴨田譲

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