「自衛隊と戦争」(リレーメッセージ)

IRAQI FREEDOM

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2枚の写真はどちらもイラク戦争(2003~2011)のものです。
首都バグダットでの米軍の様子と「人道支援」を目的にイラク南部の都市サマーワに派遣された自衛隊です。

米軍(を含めこの戦争に参加している他国軍)が、軍服も戦車も現地の砂や壁に溶け込めるよう砂色なのとは逆に、自衛隊は緑色の迷彩に日の丸まで貼り付け、目立つつくりになっています。
テロが横行し、治安が著しく悪化していた当時のイラクで、自衛隊のこのような格好は他国軍からは異様に見えたといいますが、これは自衛隊の「我々は、戦いではなく、平和活動が目的で来たのですよ。」というアピールであり、逆に目立って、信頼関係を築こうとする作戦でした。

実際に、自衛隊派遣終了間際には「日本の自衛隊の支援に感謝する。帰らないで。」と現地でデモが行われたほどで、このイラク派遣には日本国民の半分以上が反対していましたが、結果として、自衛隊は1人の死者も出ず、多大な平和活動を行ったという事になります。

しかし、現在、日本では、集団的自衛権行使容認に向け政府内での議論が進み、去る4月1日には「防衛装備移転三原則」が閣議決定されました。これにより武器輸出の増大は間違いなく、日本国憲法の三大原理の1つでもある「平和主義」の理念がないがしろにされていると言わざるを得ません。

日本も近い将来、戦争に参加し、殺し合いを行う日がきてしまうのかもしれません。
自分や自分の大切な人の命が失われるかもしれないのに、どうして戦争に前向な議論ができるのか、わかりません。
誰もが安心して暮らせる戦争の無い平和な世界を願ってやみません。

(事務局 山本)

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