ウクライナ侵略と日本の敵基地攻撃能力

ロシアのウクライナ侵略を受けて、日本は敵基地攻撃能力(「反撃能力」と言い換えているようですが)を持つべきだ、という意見がさらに強く主張されるようになりました。
しかし、敵基地攻撃が何を招くか、を考えた方がいいと思います。
ウクライナ戦争で、ウクライナが「敵基地攻撃能力」を持っていて、先に、ロシアのミサイル基地を攻撃したら、国際世論はどう動いたでしょうか? ロシアの代わりにウクライナを批判するか、あるいは、両国で勝手に戦争やってくれ、という事態になったのではないでしょうか?
また、敵基地攻撃能力では、敵の中枢(首都)を叩くことも検討されているようです。ウクライナのミサイルがモスクワを直撃したら、国際世論はどう動くでしょう。
相手の領域に攻め込んだり、攻撃を仕掛けたりすると、国際世論は味方に付かない、こちらが悪者になる、ということです。
こう考えると、戦争は始まってしまうと、今回のような被害は避けがたい、戦争が起こるのを防ぐために全力を尽くすしかない、と痛感するのです。
(弁護士 髙木太郎)

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