憲法Caffè

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選挙供託金は憲法違反!~「選挙供託金違憲訴訟」、5月24日判決です!~

選挙供託金は憲法違反!~「選挙供託金違憲訴訟」、5月24日判決です!~

現在、我が国では、国政選挙に立候補する場合、衆議院・参議院いずれも選挙区で300万円、比例区で600万円という高額の供託金を納めなければならず、しかも、得票数が一定以下の場合には没収される制度になっています(公職選挙法92条、93条)。
埼玉県在住のAさんは、平成26年12月14日に行われた第47回衆議院小選挙区選挙に立候補しようと思い、
立候補に必要な各種書類を揃え、提出したものの、小選挙区の立候補者に必要な300万円の供託金を用意することができず、供託証明書の提出ができなかったため、同選挙に立候補することができませんでした。
そこで、Aさんのように、経済的理由によって国政選挙に立候補できない現行の選挙供託金制度は不当であると考える弁護士有志によって、選挙供託金違憲訴訟弁護団が結成されました(弁護団長:宇都宮健児弁護士)。
そして、衆議院議員の選挙区選挙の供託金300万円を定めた公職選挙法92条1項1号が立候補の自由を保障する憲法15条1項及び議員の資格の平等を規定する憲法44条ただし書き等に違反する憲法違反の規定であり、この違憲の法律に基づき立候補の自由を侵害されたAさんは精神的苦痛を被ったとして、Aさんを原告、国を被告として、300万円の慰謝料の支払いを求める国家賠償請求訴訟を平成28年5月27日に東京地方裁判所に提起しました。これが「選挙供託金違憲訴訟」です。

提訴後12回の口頭弁論期日を経た本訴訟は、本年2月27日の期日で結審し、5月24日15時から東京地裁103号法廷で判決言渡しが行われることになりました。市民の政治参加を拒んでいる選挙供託金制度を現状のまま放置しておいて良いのか、日本の民主主義にとって重要な司法の良識が問われる判決になります。
ご支援のほど宜しくお願いします。

弁護士 鴨田譲

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