憲法Caffè

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埼玉総合法律事務所
犠牲者はいつも市民

犠牲者はいつも市民

他国を侵略し,人間の生命を奪うことだけが戦争ではない。
1992年,ユーゴスラビアが解体していく中で起きたボスニアの内戦
イスラム教徒のムスリム人,セルビア清教徒のセルビア人とカトリック教徒のクロアチア人との間で起きた民族浄化
セルビア人兵士にレイプされたムスリム人,クロアチア人女性たちは2万人
妊娠した女性は堕胎できなくなる月数まで収容所に置かれ,その後解放された。自宅へ戻っても家族が喜んで迎えてくれるわけではない。ある父親は,妊娠中の娘のお腹を見て,異教徒との子であることを知ると,その場で娘を斬り殺した。
また別の女性は,異教徒の子がお腹に宿っており,すでに堕胎できない状態にあることを覚り,自ら命を絶った。
近年ではISやボコ・ハラムなどが女性を誘拐・監禁し,強制結婚,妊娠させられた事件
生まれた子どもたちは,どこへ帰属すればいいのか。「見えない子ども」自分の出自がわからない。支援団体により保護され,成人になり職に就いた者もいるが,組織に反抗できず,武器を持たされ,闘いに身を投じる子どももいる。
金がない,最新鋭の破壊兵器を持てない国には,性的暴行が戦略のひとつになる。
日本は軍事費5兆3000億円超の予算を立て,米国製武器を大量輸入する予定である。そこへ日本を代表するいくつもの企業が,機体等の組立や共同武器開発に携わる。
何が目的なのだろう。しきりに中国や北朝鮮の脅威をあおり,軍備増強を正当化するようメディアも荷担しているように感じる。
先進国は自国のために最新兵器は使用しない。それらを開発し,他国へ輸出する,すなわち経団連に代表されるような巨大企業が,国から莫大な利益を長期に亘り保障されることに外ならない。
小国と大国と手段は全く異なるが,それによって平凡な日常の幸福を奪取されるのは,きまって一般市民なのである。
消費税率を上げて,他方で法人税率を下げるのも,犠牲になるのは普通の市民生活に外ならない。
(事務局 長沢)

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