言葉のセクハラ(リレーメッセージ)

会社の男性管理職が、部下の女性に対してセクハラ発言を繰り返したことをめぐり、男性管理職を出勤停止の懲戒処分にし、さらに降格したことが処分として重すぎて無効かどうかが争われた裁判で、最高裁判所は2月26日、処分は妥当であると判断しました(http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84883)。判決では、男性管理職の具体的な多数のセクハラ発言を認定しています。

被害女性が明白な拒否の姿勢を示さなかったとしても、最高裁は、「被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられる」と判示し、被害女性の拒否しない態度を加害者側に有利に考えることは相当ではないとしました。

男性の女性に対するセクハラ発言はなかなかなくなりません。その場にいる女性へのセクハラ発言だけでなく、その場の笑いを誘うためにその場にいない女性についての侮辱的なセクハラ発言も。セクハラ発言の原因の一つには、男性のなかにある潜在的な女性への差別があるのではないでしょうか。

性別による差別は憲法違反であり、セクハラ発言は性別による差別だから、セクハラ発言は憲法違反だと考えることもできます。憲法の精神が広がり、セクハラ発言のない世の中になるといいですね。

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(弁護士 古城英俊)

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