憲法Caffè

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埼玉総合法律事務所
20日

顔パス

「顔パス」という言葉は本来、地位や権力、コネとか、
そういうものの力を利用して、制限された場所に入場することを指しました。
もちろん、今でもそのように使われてはいます。

ただ近頃では、顔認証システムのことを指すようにもなってきました。

Googleで「顔パス」をニュース検索してみると・・・・
思いのほか多くの顔認証導入に関する記事がヒットします。

大阪メトロでは大阪万博の年2025年までに
切符なしで顔だけで電車に乗れるようになるそうです。

他には、富士急ハイランド、ユニバーサルスタジオジャパン、
コンビニエンスストア、コンサート会場等で、すでに導入されているというのです。

子どもたちの顔を登録して、顔認証で入館させる児童館もあるようです。

一面だけみると、便利な世の中になりましたね。
顔はSuicaやチケットと違ってなくさないですし、
パスワードのように忘れる性質のものでもない。

とはいえ、プライバシーの保護は大丈夫でしょうか。

AIとかIoTとか、科学技術の進歩は目覚ましく、
マスクをしていても顔認証可能とか、
13歳以上なら双子でも見分けられるとか言われています。

街角には高解像度のカメラが設置され、
24時間道行く人々を撮影し続けています。
公共の場で匿名でいる権利が危うくなるとの指摘もあります。

さらには、誰かに顔データを書き換えられ、成りすまされるリスクはないでしょうか。

やはりここで少し立ち止まって、慎重に考える必要があるのではと思っています。

(事務局 荻原)