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埼玉総合法律事務所
「生活保護」

「生活保護」

先日,全国一斉生活保護ホットラインを行いました。
奇しくも,生活保護の支給額がさらに引き下げられる方向であるという報道がなされたときであり,そのことが不安で,どう対応したらいいか,という相談もありました。

生活保護は憲法25条で守られている「健康で文化的な最低限度の生活」を守るために支給されるものです。

しかし,現在の支給額では,「健康で」「文化的」な生活を送ることは困難な状態にあります。

受給額が少ないことから安価な食事をするようになる人も多いですが,安価な食事には炭水化物の量が多い物が多く,そればかり食べると栄養が偏る上,太ってしまいます。
果たしてこれが健康的な生活と言えるでしょうか。

お金を節約する為に友人と遊ぶことができなくなり,趣味を楽しむことも出来なくなってしまいます。
果たしてこれが文化的な生活と言えるでしょうか。

生活保護を受給している人の中には,「皆さんは頑張って働いているのに,自分は生活保護をもらって生活していて申し訳ない」と言っている人もいます。
生活保護を受給するための条件として「働く能力がないこと」や「働きたくても働ける場所がないこと」ことが必要です。
すなわち,生活保護を受ける人は「働きたくなくても働けない人」なのです。

それなのに,「皆さんに申し訳ない」と思い,自分を責めながら生活していくのはとても辛いことだと思います。
このように思ってしまう背景には生活保護バッシングなど社会的な要因があるも大きいと思います。

生活保護を受給している人が,自分を責めたり,周りの人の目を気にしたりせず,生活できるような日がくればと思っています。

(弁護士 鈴木満)

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