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「首相の福島訪問に隠された意図」(リレーメッセージ)

「首相の福島訪問に隠された意図」(リレーメッセージ)

 

2017年7月1日、安倍首相が福島県を訪問したことが首相官邸ホームページに掲載されている。

まず伊達郡川俣町にオープンした山木屋地区復興拠点商業施設「とんやの郷」を訪問した。そこで首相は、川俣町山木屋でも、この3月に避難指示が解除され、とんやの郷に人々が集まり、復興の原動力になることを願っていると述べたそうだ。

川俣町の一部が避難区域に指定されていたことは知っていた。名物の川俣しゃもの店も入っている。ここに人々が集まり、復興の原動力になればいい。

首相は何が言いたかったのだろう。全ては川俣町の人たちの自主的な努力ではないか。避難指示を解除したのだから、避難民はこの地区へ帰還し、原発事故前の生活に戻ってもらいたい。

復興の原動力となればいい。何とも他人事ではないか。

今後も原発を再稼働させ、安全であると誤信させ、原発政策を推進していくために必要なのではないか。

続いて飯舘村の特別養護老人ホームへ訪問した。人手不足は訪問した特養だけに限らない。首相は、この地域で介護の仕事をしやすいように就職準備金を引き上げ、また全国から人材供給に協力してくれる施設を、国として支援すると約束した。

 

それなら全国の介護職員の給料を、大幅に引き上げたらいかがか。まず人手を出せる施設があるのか。どこも離職率が高く、慢性的な人手不足である。仕事が好きで、やりがいを感じていても、収入が低く、仕事もきつければ、辞める人も多くなるのは必然であろう。

そのような実情を理解しているのか。

若い人たちが飯舘村へ移住し、特養の利用者が増えてくれたらうれしい。人が増えれば町の活性化にもつながろう。

ただ就職準備金につられて介護職員は来てくれるのだろうか。

住民だけでなく、首相だけでなく国にとっても復興してもらわないと困るのである。

多くの国民の声を無視して安全宣言しなければ、原発政策を推進させることはできない。都議選の慌ただしい中で福島訪問したのは、そんな目的もあったのではないかというのは、私の考えすぎだろうか。

(事務局 N・K)

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