憲法Caffè

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自由の基礎法(リレーメッセージ)

自由の基礎法(リレーメッセージ)

最初に憲法の勉強をしたとき、日本国憲法の特質として、自由の基礎法であること、制限規範性があること、最高法規性があるということ、の3つが大事であると学びました。
このうち、自由の基礎法というのは、憲法には国家の組織運営等を定めた組織規範や、国家権力に一定の権限をさずける授権規範もあるけれど、人権規範が中核ですよということを示しています。
すなわち、憲法は人権規範が目的であり、組織規範や授権規範などの統治機構は人権規範を全うするための手段に過ぎないということです。
この考え方がベースにあったからこそ、私たちが無頓着でも無関心でも、統治機構の暴走には一定の歯止めがかかり、人権が守られていました。

しかし、もうそんな呑気なことではいられません。今の自民党改憲草案は、統治が目的で、人権が手段として規定されています。

(国民の責務)第十二条
「…自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。」

公益や秩序が最優先で、権力者の公益や秩序についての考え方次第で、いくらでも国民の人権が制限できてしまうという世界。
これが私たちの最高法規となったら、どんな恐ろしい世の中になってしまうか、想像してみてください。

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(弁護士 南木 ゆう)

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