ベルギーに行く機会があった。
ベルギーの空港、首都ブリュッセルの街中では、昨年のパリのテロの影響か、迷彩服を着た兵士が二人ひと組で自動小銃を所持して警備していた。街中に軍用車両、迷彩服は、何とも異様な光景に見えた。
ベルギー国籍のISテロ参加者は、どこにでもいる下町の職のない下層の若者だったそうだ。それがある時からISに傾倒し、テロまで引き起こす者に変わった。うっ屈した社会、努力しても報われない社会、失うものが何もない状態、そこに憎悪の連鎖が加われば、テロはどこにでも生じうるものかなと考えた。街にはイスラム系の家族もそこここにおり、兵士の横をそんな子が駆け回っている。
日本がそんな状態にならないことを強く願う。
(弁護士 高木 太郎)