憲法Caffè

埼玉総合法律事務所の所員が、憲法に関わる催しや学習会のお知らせ、感想、考えていることなどを、随時アップします!

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埼玉総合法律事務所
2018年

海沿いの住宅地とイージス・アショア

私は子ども時代を、秋田市郊外の海沿いの町、新屋(あらや)で過ごしました。
新興住宅地で、海が近くて、防砂林としての松林が点在していました。

放課後、女友達やお目当ての男子と、松林を抜けて海岸に出て、
思いっきり駆け出して浜辺で遊んだ日々。
海岸の植物を採取したり、松林でキノコを発見したり、
どれもこれも思春期の甘美な日常でした。

そんなことは完全にすっかり忘れていたのですが、
あるニュースに触れ、その光景がフラッシュバックしたのです。

ちょうど1年程前のことです。
ミサイル迎撃システム、イージス・アショアを配備する候補地に挙がったのが、
秋田市の新屋でした。

あの松林や海岸に程近い新屋演習場、
私が通っていた小学校から徒歩5分の場所。

そこにイージス・アショアが載っかる光景は想像できないですし、
基地問題って身近なことなんだなと改めて感じ、悲しい気持ちになりました。

あの閣議決定から1年、市民を中心に反対の声が大きくなっていますが、
地盤調査に着手するとか、防衛副大臣が視察したりとか、
先週はそんなニュースも聞きました。
着々と進んでいきそうで怖いです。

設置するだけで数千億円、そんなにお金をかける必要があるのでしょうか。
そもそもミサイル発射って、ここ日本であり得るのでしょうか。

白紙にしてくれることを切に願います。

(事務局 荻原)


 

憲法を読もう

先日、ある事業所からのリクエストに応えて、
憲法学習会の講師を務めてきました。

若手も多く参加していただいて、
私の簡単な講演の後のグループディスカッションでは
活発な意見交換がされていたようですが、
憲法を読んだ記憶がない、
せいぜい中学時代のテストで条文の穴埋め問題をやったくらい、
という声も挙がっていました。

来年はいよいよ憲法改正の議論が本格化しそうです。
その先には国民投票もおこなわれる可能性が高くなっています。
日本国憲法には何が書かれてあるのか、
それをどう変えようという議論がされているのか、
果たして変えてしまっていいものなのか。
まずは年末年始の時間をちょっとだけ割いて、
憲法を読んでみるのも有意義だと思います

弁護士 佐渡島 啓

So this is Xmas

もうすぐ、クリスマス。
世界には様々な宗教があり、信じる宗教は異なるかもしれませんが
日本ではクリスマスは楽しいイベントのひとつになっています。
ジョン・レノンの`Happy Xmas´という有名な曲があります。
既にご存じの方も多いと思いますが、この曲は単なるクリスマスソングではありません。当時、アメリカはベトナム戦争を行っていました。

ジョン・レノンはこの曲のなかで、「そばにいる人も大切な人も、お年寄りも若者も、弱くても強くても、お金持ちでも貧しくても、黒人も、白人も、アジア系も、ヒスパニック系も、全ての人に、クリスマスを祝い、新年がいい年になるように祈ろう。恐怖のない世界になるように。」と歌っています。そして「世界はまちがっているけど、人が望みさえすれば」と。
ジョン・レノンが祈りと願いをこめたこの曲。歌詞を知ってもっとこの曲が好きになり、そして、恵まれず、苦しんでいる人が世界にはたくさんいるということに思いをはせるのです。

事務局M

犠牲者はいつも市民

他国を侵略し,人間の生命を奪うことだけが戦争ではない。
1992年,ユーゴスラビアが解体していく中で起きたボスニアの内戦
イスラム教徒のムスリム人,セルビア清教徒のセルビア人とカトリック教徒のクロアチア人との間で起きた民族浄化
セルビア人兵士にレイプされたムスリム人,クロアチア人女性たちは2万人
妊娠した女性は堕胎できなくなる月数まで収容所に置かれ,その後解放された。自宅へ戻っても家族が喜んで迎えてくれるわけではない。ある父親は,妊娠中の娘のお腹を見て,異教徒との子であることを知ると,その場で娘を斬り殺した。
また別の女性は,異教徒の子がお腹に宿っており,すでに堕胎できない状態にあることを覚り,自ら命を絶った。
近年ではISやボコ・ハラムなどが女性を誘拐・監禁し,強制結婚,妊娠させられた事件
生まれた子どもたちは,どこへ帰属すればいいのか。「見えない子ども」自分の出自がわからない。支援団体により保護され,成人になり職に就いた者もいるが,組織に反抗できず,武器を持たされ,闘いに身を投じる子どももいる。
金がない,最新鋭の破壊兵器を持てない国には,性的暴行が戦略のひとつになる。
日本は軍事費5兆3000億円超の予算を立て,米国製武器を大量輸入する予定である。そこへ日本を代表するいくつもの企業が,機体等の組立や共同武器開発に携わる。
何が目的なのだろう。しきりに中国や北朝鮮の脅威をあおり,軍備増強を正当化するようメディアも荷担しているように感じる。
先進国は自国のために最新兵器は使用しない。それらを開発し,他国へ輸出する,すなわち経団連に代表されるような巨大企業が,国から莫大な利益を長期に亘り保障されることに外ならない。
小国と大国と手段は全く異なるが,それによって平凡な日常の幸福を奪取されるのは,きまって一般市民なのである。
消費税率を上げて,他方で法人税率を下げるのも,犠牲になるのは普通の市民生活に外ならない。
(事務局 長沢)

反対のその先を

デモ行進が苦手です。
ビラ配りが苦手です。
拡声器が苦手です。

なにか方法はないでしょうか。

例えば、物語の力で。
例えば、音楽の力で。
例えば、お金の力で。

例えば、判決の力で。

反対!の先の提案を。

(弁護士 竹内和正)

この日何の日?

もうすぐ12月8日が巡ってきます。ジョン・レノンの命日?確かに。38年前のあの事件もものすごいショッキングな出来事でしたが。でも、この日は日本人が忘れてはならない日です。そう、1941年のこの日、日本軍が真珠湾攻撃をした日です。日本は無謀な戦争に突入し、自滅しました。日本人は戦争の高い代償の末に平和と民主主義を手に入れました。

しかしながら、ここ数年、歴史の歯車が逆回転を始めたかの如き日本の政治と社会の情勢を見るにつけ、平和と民主主義の土台が崩れ、同じ過ちを繰り返してしまうのではないかという強い危惧を感じる今日この頃です。
事務局 A・K

11月14日は弁護士会昼パレード!

埼玉弁護士会が,またまた「お昼休み 平和パレード」を実施いたします。
奇しくも,「埼玉県民の日」。県庁でもいろんなイベントがあるので,賑わっていると思います。
お天気も良さそうです。
ぜひ,パレードにもご参加下さい!

11月14日(水)
12:00 埼玉県庁東門 集合!
ご挨拶のあと 浦和駅に向って 出発!

9.19埼玉弁護士会平和パレードの様子です

「11月2日、選挙供託金違憲訴訟、原告尋問が実施されます」

私たち供託金違憲訴訟弁護団は,我が国の選挙供託金が,世界で最も高額であり,国民の憲法上の権利である立候補の自由及び議員資格の平等
(憲法15条1項,44条)等を侵害していると考える弁護士によって結成されました。

我が国における選挙供託金制度は,衆議院及び参議院の比例区で600万円,衆議院及び参議院の選挙区で300万円となっています。
このように極めて高額な供託金制度の下では,国政選挙に参加したいと考える一般市民が,自由に立候補することが極めて困難な状態にあるといえます。
また,世界各国をみても,そもそも立候補時に選挙供託金を必要としない国も多数存在しますし,また,選挙供託金制度を有する国であっても, その金額は,我が国の選挙供託金と比較すると遥かに低額です。

本件の選挙供託金違憲訴訟は,2014年12月14日に行われた第47回衆議院議員選挙の小選挙区に立候補しようとしたものの, 300万円の供託金を用意することができず,立候補届が受理されなかった方が原告となり,立候補の自由等を侵害されたことによって 精神的苦痛を被ったとして,300万円の慰謝料を被告国に請求する国家賠償請求事件です。

私たちは,2016年5月27日に本訴訟を東京地方裁判所に提訴しましたが,2018年11月2日14:00から東京地方裁判所103号法廷にて
第10回口頭弁論期日が行われます。
この期日では原告本人の尋問が実施されます。
この原告尋問で選挙供託金制度の不合理さをみなさまに理解して頂ければと思います。

弁護士 鴨田譲

選挙供託金違憲訴訟を支える会 ← 署名もお願いしています!

全国一斉1万件審査請求

今年10月から3年かけて生活扶助基準が160億円引下げられることになり、
10月1日、第1回目の引下げが行われました。

生活保護の基準が引下げられると、最低賃金や就学援助の基準など
国民生活に大きな影響を及ぼすことになります。

10月9日と10日に実施された全国一斉ホットラインでは、5年前にも引下げられたのに、
また引下げられて切り詰めることができない、今後の生活が不安、などの声が多数寄せられました。
5年前の引下げに対しては、審査請求の後、引下げが憲法違反であるとして、29の都道府県で裁判が係属中です。

今回の引下げに対しても、まずは全国で1万件の審査請求運動に取り組みます。

(弁護士 古城英俊)

審査請求やってみよう! みんなで声を上げよう!! ←こちらをクリック(^^)/

 

 

「戦争体験者の声」

9条改憲が急がれる世の中。もう一度、戦争について考え、想像する必要があります。
戦争というものはどういうものか、遠くで起こっている自分に関係ないことでは済まされないはずです。

戦争体験者がどんどん亡くなり、戦争のリアルな現実を体験した声を直接聞く機会がなくなってきてしまっています。
様々な体験者の証言を綴った本「1945←2015 若者から若者への手紙」を、英訳して、電子書籍にして世界中に届けようという2020プロジェクトに賛同したいと思います。
(弁護士 南木ゆう)

若者から若者への手紙電子化資金寄附チラシ(南木)

2020プロジェクトについて