憲法Caffè

埼玉総合法律事務所の所員が、憲法に関わる催しや学習会のお知らせ、感想、考えていることなどを、随時アップします!

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埼玉総合法律事務所
08月

「憲法26条の話」 (リレーメッセージ)

教室 憲法といえば9条だけがクローズアップされがち(特にいまは)ですが、教育を受ける権利を定めた憲法26条も重要な人権です。

憲法26条は1項で教育を受ける権利を定め、2項で「義務教育は、これを無償とする。」と定めています。

ところが、何が無償であるのかは実は問題で、昭和39年2月26日の最高裁判決では「無償」とは「授業料が無償」の意味であるとしました。

しかし、時代の流れとともに、小中学校に通うためには授業料以外にも上履き、体育着、お道具箱、給食費、修学旅行費など色々なお金がかかるようになりました。

最近私は奨学金の問題に取り組む中で日本は教育の私費負担が非常に大きいことを知りました。

憲法9条の解釈については変更すべきでないと主張している私ですが、憲法26条2項の「無償」の範囲については時代や諸外国の様子に併せて解釈を変更すべき かと最近考えています。                                             弁護士 鴨田譲

「8月」(リレーメッセージ)

    長崎 平和の像 201108202214039f8
    69年前の8月9日,アメリカによって長崎に原爆が投下されました。今年,その日に長崎市主催で開かれた平和式典。
     田上富久市長は,「長崎平和宣言」の中で,「長崎は「ノーモア・ナガサキ」とともに「ノーモア・ウオー」と叫び続けてきました,日本国憲法に込められた「戦争をしない」という誓いは,被爆国日本の原点であるとともに、被爆地長崎の原点でもあります。」と述べました。
     被爆者代表の城臺美彌子さんは,「平和の誓い」の中で,「今進められている集団的自衛権行使容認は,日本国憲法を踏みにじった暴挙です。日本が「戦争ができる国」になり,武力で平和を守ろうというのですか。武器製造,武器輸出は戦争への道です。いったん戦争が始まると,戦争は戦争を呼びます。歴史が証明しているではありませんか。日本の未来を担う若者や子どもたちを脅かさないでください。平和の保証をしてください。被爆者の苦しみを忘れ,なかったことにしないでください。」と述べました。上記は「赤旗」によりました。
     東京新聞によると,城臺さんの「暴挙」のくだりについて,事前の原稿は,「武力で国民の平和を守ると言っていませんか」となっていたが,「憲法をないがしろにする政治家たちを見て,怒りがこみ上げ」て,上記のように差し替えたという。なお,東京新聞では,「踏みにじった」が「踏みにじる」と,「戦争が出来る国」が「戦争できるよう」とあります。
     詳細は,それぞれの新聞報道を読んでくだされば,幸いです。
     お二人とも,もっともっと言いたいことはあったのであろうと。
     そして,8月15日は,終戦記念日。
     平和の大切さ,命の尊さを,安倍総理を初めとする今の政権政党の政治家たちに真剣に考えてほしいものです。

    147_事務所旅行2005
    2005年 事務所旅行にて

    (弁護士 伊藤明生)

憲法前文、そして今の私にできること(リレーメッセージ)

 入所して間もないころ、同期と2人、新人事務局を対象とする「憲法」の講義があった。
 講師は、首が痛くなるほど見上げなければならないほど長身で、しかも東南アジア出身者にしか見えない。一見すれば決して忘れない容姿の弁護士だった。
 その圧倒されそうな風貌とは異なり、私と同期の事務局2人を相手に、とても優しい口調で話された。
 「まず、憲法の前文は読んだことがありますか」と聞かれ、「私は憲法の前文が、全ての条文の中で一番好きだ。これを読むと感動で、胸が熱くなる」と語られた。
戦後69年に亘り、日本国民は全力をあげて、前文に書かれた崇高な理想と目的を達成するために、努力してきたのではないのか。
 長い年月をかけて積み上げてきた平和国家が、積木のように、一気に崩されようとしている。
 憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使を可能にしようとしている。
 この動きを止めたい。まず自分にできること、できそうなことから始めてみる。
 さしあたり家族に話す。友人に話す。知人に話す。近所の立ち話(これが少なくなっている)で、さりげなく話題にする。
 ビラを受け取る。署名する。
 デモや集会に参加する。
 ビラまきに参加して、広く一般に訴える。
 何となくできそうである。
 8月は広島、長﨑に原爆が投下され、終戦を迎えた月である。
 そして、一見すれば忘れられない容姿の先生が亡くなられた月でもある。
 ともに平和を祈りたい。
                                                  合掌

(事務局 長沢)
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一人ひとりができること(リレーメッセージ)

2014.7.31弁護士会市民のつどい(会場) 昨日(2014.7.31)は、「集団的自衛権を認めるのか?海外で戦争をする国づくりNO!」と題して、憲法と人権を考える市民のつどいが開催されました。会場の埼玉会館の大ホールは立ち見が出るほどの満員御礼で、ホールの外では数百人が内部の中継をテレビでみており、集団的自衛権への関心の高さがうかがわれました。

青井未帆さんやなかにし礼さんの講演

を聴いて、「このままじゃいけない!」「今の政治はおかしい!」と思った方も沢山いると思います。

2014.7.31弁護士会市民のつどい 埼玉新聞8.1

 

 

では、その思いを政治に反映させるためにはどうしたらいいでしょうか。

1人ひとりができるアクションとしては、こんなことが考えられます。

 

〇学習会関係
●学習会を企画して(あるいはすでに企画されているものに)友だちを誘う(あるいはそういう企画があることを伝える)
●自分の関わっているサークルなどで、学習会をできないか働きかける
●高校の文化祭、大学祭などで憲法テーマとして何か企画できないか、知り合いの先生、学生に働きかける
●Twitter・Facebookでも、記事をシェアして、知り合いに関心をさりげなくアピールする
●学習会をやったあとに必ず報告を拡散する

〇報道関係
●雑誌などに、とりあげてほしいテーマとして憲法、集団的自衛権、秘密保護法などを熱くリクエストする。
●テレビ番組、新聞社などに、視聴者、読者の声として、憲法、集団的自衛権、秘密保護法などに危機感を持ってることを伝え、そういう観点での番組づくりを熱くリクエストする
●関心がありそうな芸能人・著名人に、Twitterなどで、そういうものを発信してほしいとアピールする。ちらっと発信したら絶賛応援する。
●明日の自由を守る若手弁護士会(通称あすわか)のリーフレットなどを置いてくれる飲食店、自然食料品店、病院、教会、お寺、塾、幼稚園保育園など相談してみる
●文房具売り場の試し書用の紙に、当該意見を記載する
●電車や地下鉄など多数人の集まる場面で、当該意見の話をする・あすわかリーフレットなどを他者から見えるように広げて読む
●あすわかが著者の「これでわかった 超訳 特定秘密保護法」は置いてあるかと本屋にまめに問い合わせる

〇直接拡散
●学校の個人面談などの際に先生に話してみる
●タクシー運転手、保険外交員、新聞勧誘の方、ヤクルトレディなどにこちらから情報を話す

いかがだったでしょうか?
1つ1つは地道ですが、1つするだけでも、とても大きな意味があります。
どれか1つでも、「これならできるかも!」というものがあったら、ぜひ実行してみてください。

もし、もっと余力があるよ!という方は、集会やデモに参加してみたり、署名集めやシール投票などのアクションに参加してみたりするのがよいと思います。
もちろん、バイタリティ有り余るなら、上級編として直接、議員さんの事務所に行って、署名を届けたり、陳情したりするという、とてもインパクトのある方法もありますね。

皆さんの『不断の努力』(憲法12条)が明日の民主主義を作ります。

これからも楽しく、アクションを続けていきましょう。           (弁護士 黒澤瑞希)

2014.7.31弁護士会パレード

写真(上)2014.7.31埼玉弁護士会市民のつどい満席の会場。(中)8/1埼玉新聞より。(下)市民のつどい前弁護士会パレード